2013年9月15日日曜日

東立川幼稚園の見学 (高橋健介)

国立市にある東立川幼稚園に、共同研究でお世話になっているあかみ幼稚園の先生方、若手?の保育研究者の方々と見学にいってきました。
 
東立川幼稚園は、遊びを重視した保育を展開している幼稚園です。本日は、午前保育だったのですが、降園前の帰りの会まで、子ども達はめいいっぱいそれぞれの遊びをおこなっていました。特に園庭での遊びでは、子ども達が群れ、それぞれの年齢に応じて共同、協同して遊んでいる様子をみることができました。3歳児は、砂場などの場を共有しながら、それぞれがモノや素材にかかわりながら遊んでいます。お互いの動きに同調したり、遊びを真似しあいながら遊んでいる様子がわかります。4歳児は、保護者お手製のテーブルを並べたり、重ねたりしながら、自ら遊びの場をつくり(見立て)、ごっこ遊びをおこなっている姿をみることができました。5歳児は、多くの子ども達が集まって相談しながら、陣取りゲーム(開戦どんのような遊び)を協同して取り組んでいる姿があります。
 
以前にも書かせていただきましたが、現在、多くの幼稚園、保育所では園庭での群れ遊びが難しくなってきています。年齢に応じた群れでの遊びを展開することが難しくなってきているのです。特に、5歳児の鬼ごっこなど、協同的な遊びを主体的に展開することが難しくなってきていると感じています。このような遊びを展開できるようになっていくには、子ども自身の発達だけではなく、年齢に応じた保育者の働きかけがとても重要と思っています。
 
見学後の懇談会で、子ども達の群れ遊びへの働きかけについてうかがってみると、遊びへの援助だけではなく、日常生活での仲間との共同作業(畑や飼育などの仕事)、クラス(集まり)での対話を大切しているとうかがいました。帰りの会を見させていただいたのですが、ある子どもの飼育活動でおこった課題を、対話を通して、クラスのみんなで共有している姿がありました。改めて担任保育者と子ども達とのクラスでの豊かな生活が、仲間との充実した遊びにつながっていくことを考えることができました。
 
また、園庭の一角の昨年の5歳児達が作ったお店(小屋)で、ごっこ遊びをする子どもがいました。東立川幼稚園では、毎年、秋のある時期に、5歳児達が木材を使って作りたい小屋を作るとのことです。昨年に実習訪問をさせていただいた時には、木材で作った船(5、6人が入れる)がありました。これら子ども達が遊びに用いる小屋は、ある時期にたたんでしまうとのことです。なくなってしまったその場を見て、5歳児達が自分たちの小屋を作りたいと考えだし、新しい小屋を保育者に援助されながら作り上げるとのことです。5歳児らしい主体的な遊び(活動)が展開されていますが、保育者の計画や見通しが、さりげなく、しかもしっかりとそこにあることを教えてくれます。
 
見学、懇談会を通して、豊かな遊びが展開されるための保育者の役割や園生活について、充実した学びをすることができました。お忙しいなか、ご対応していただいた理事長先生、園長先生、そして東立川幼稚園の先生方に改めて感謝申し上げます。


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